Dictionary専門用語集

池に関する用語

産業用バッテリーを取り扱う際に使用される用語

ア行
安全弁(ガス排出弁) 万が一、電池異常時に内圧が一定以上に上昇した場合にガスを放出させる弁。
液漏れ
(漏液:ろうえき)
電池内部の電解液が外部に漏れ出てしまうこと。
使い切った電池を放置するなどバッテリーの過放電状態が続くと、バッテリー内にガスが充満し内圧が上昇する。このとき、破裂防止のためバッテリーの排気弁が開きガスを排出するが、それと一緒に電解液がこぼれ出た状態。
エネルギー密度 電池の性能を比較するための指標。
充電されたバッテリーから取り出せるエネルギー量を重量あたりまたは体積あたりで表したもの。
単位:重量あたりのエネルギー密度「Wh/kg」、体積あたりのエネルギー密度「Wh/L」などで示される。
カ行
開路電圧:OCV
(Open Circuit Voltage)
電池に機器を接続していない状態でその電池が示す端子間の電圧のこと。電流が流れていない状態の電圧。
負荷がないため、電池に機器を接続しているときよりも電圧は大きい値を示す。開放電圧、開回路電圧ともいう。
化学電池 化学反応を利用して電気エネルギーに変換する電池。
過充電 必要以上に充電すること。
完全に充電されているにもかかわらず、さらに充電し続けること。性能劣化など寿命に悪影響を及ぼす原因となる。また、過度にガスが発生し膨張するなどの危険性も。
過充電を防ぐため、推奨された充電機を使用したりトリクル充電により電池に負荷を与えないようにしたりするなどで悪影響を回避することができる。
活物質 電極の電気化学反応物質。
電池反応の中心的役割を担い、電子を送り出し受け取る酸化/還元反応を行う物質。
過放電 バッテリー残量が0%になるまで使い切り、放電してしまうこと。蓄電池を定められた終止電圧を下回るまで放電すること。劣化の原因になるだけでなく、場合によっては使えなくなることも。
過放電防止装置 鉛バッテリーなどが過放電状態になると、サルフェーションが発生し、バッテリー寿命が極端に短くなる。そこで、予め決められた電圧レベルで放電が止まるよう設計された装置。
逆充電 プラス極とマイナス極を逆に接続して行う充電のこと。充電はされず蓄電池は強制放電されることになる。
電池によっては危険性を伴ったりバッテリー性能が悪化したりする恐れもあるため、接続する向きには十分注意が必要。
急速充電 大電流により短時間で充電すること。
電池によっては急速充電はバッテリーへの負荷が大きく劣化の原因となることもあるため、急速充電に対応するバッテリーかどうか確認が必要。
均等充電 蓄電池の品質を維持するために行われる充電方式の一つ。接続された複数のセル電圧のばらつきを均等化させるために行う。
蓄電池は浮動充電しながら運用していると、セルごとに蓄電容量のばらつきが生じセルバランスが崩れる。電位差による循環電流などの悪影響が出る恐れがあるため、定期的に均等充電を行う必要のある種類の電池も存在する。
組電池(パック電池) 同種類の単電池を複数個組み合わせてパックしたもの。パック電池とも呼ばれる。
組み合わされた電池は、熱収縮チューブでパックしたり、金属ケースや樹脂ケースに収納したりする。
公称電圧 電池を使用した場合に得られる端子間の電圧目安となる値(実測値とは異なる)。
一般的な条件下で放電したときの動作電圧の平均値を指す場合が多い。
公称容量 電池製造者が指定する設計上の容量。1時間で放電し使い切ってしまう場合を想定した電流量で表示されることが一般的。
単位:「Ah」や「mAh」が用いられる。Typ.と書かれたものもあり設計上の中心容量を示すことが多く、定格容量(最小容量)とは若干異なる。
高率放電 電池の容量に対して比較的大きな電流で行う放電のこと。
交流(AC)
: Alternating current
電気が導線の中を流れるとき、電圧や電流の向き(+プラス、-マイナス)が周期的に交互に入れ替わる流れ方を交流という。家庭のコンセントから流れてくる電気は交流。1秒間に周期的に電流の流れる向きが切り替わる回数を周波数[単位:Hz(ヘルツ)]といい、東日本では50Hz、西日本では60Hz。
サ行
サイクル寿命(サイクル回数) 充電と放電を繰り返すことを1セットとし、バッテリーが寿命に達するまで、どのくらい充放電を繰り返しできるかを回数で示したもの。使用環境や利用方法などの条件によって寿命は変わる。寿命の判断基準は初期容量の50%とする場合や70%とする場合など違いがある場合もあるので確認が必要。
サルフェーション 鉛バッテリーを放電したときに発生する硫酸鉛が結晶化すること。
通常、硫酸塩は電解液に溶け込みバッテリー容量に影響を与えないはずだが、バッテリーを長期間放置すると、硫酸鉛がだんだん硬くなり結晶化する。また、電極板にも付着し硫酸鉛の結晶が絶縁体となり、バッテリーの内部抵抗が大きくなることで電池が劣化する。
サーミスタ 温度変化に対して電気抵抗が大きく変化する半導体。周囲温度、電池温度などを測定するセンサとして利用される。
自然放電
(自己放電)
外部回路に電流が取り出されることなく、蓄えられている電気の量が、時間の経過とともに徐々に減少すること。
昇圧 低電圧から高電圧に電圧を上げること。電池そのものの電圧では不足する場合に昇圧回路などを用いて、適切な電圧に調整すること。
シールドバッテリー
(制御弁式鉛蓄電池)
通常の鉛バッテリーでは充電時にガスが発生し外部に放出されるが、シールドバッテリーは密閉構造の容器を使用して電解液の漏れを防ぎ、外部に放出しない特殊な構造になっている。充電中に起こる水の電気分解によりガスが発生しても、電極板での化学反応により水に戻すことでガスの発生を抑えている。密閉することで水分が失われることがなく、補水の必要がない。内圧の上昇などの管理が必要。
充電 2次電池に外部から電流を加え、エネルギーを蓄えること。
電池の種類によって適切な充電方法は異なる。間違った充電方法で寿命が著しく短くなってしまう種類の2次電池もある。リチウムイオン電池にも様々な種類が存在し、推奨される充電方法にも違いがある。
充電回復性能 高速充電性能(放電後、充電量が回復するまでの速さ)などを表す数値。
充電終止電圧 安全に充電を行える充電電圧の最高値のこと。実際には最大の電圧まで上がっていない場合が多く、充電終止電圧を上回るまで充電すると「過充電」と呼ばれ、バッテリーを劣化させる原因になる。
充電容量 電池に充電された電気の量。電池により量が異なる。単位:mAh / Ah アンペアアワー
充電レート(Cレート) 規定される時間で定格容量に充電するために必要な電流値。
電池の容量を1時間で完全充電(または放電)させる電流の大きさを1Cと定義。2Cであれば1/2時間、つまり30分。
充放電効率 充電量に対する放電量の比率のこと。充電した電気エネルギーをどれだけ放電に使用できるかをパーセンテージで示したもの。
充放電効率が高い(100%に近い値)蓄電池は、充電したエネルギーのほとんどを放電で使用できることを表す。
充放電試験 一定の電流をバッテリーに流して充電と放電を行う電池の評価方法。
充電容量と放電容量を計測し、容量維持率などを確認することでバッテリーの現在の充電性能や取り換え時期(寿命)を検査する試験。
循環電流 電池を並列に接続したときに電圧の差により電池間に流れる電流のこと。
電圧に差がある蓄電池を並列に接続したとき、電圧の高い蓄電池から低い蓄電池へ電流が流れ、負荷をつなげていないにもかかわらず蓄電池の容量が減ってしまう。
触媒栓 触媒作用によってバッテリーなどの酸化還元反応で発生した酸素・水素ガスを再結合させ水にして電池に戻す装置。電解液の減りを防ぎ、発生したガスを電池外部に漏らさない効果がある。
深放電 放電終止電圧に達するまで使用した状態のこと。容量が0%の状態とは限らない。
深放電の状態でさらにバッテリーを放置することで、自己放電によりバッテリー容量は減少し、過放電となり性能が劣化する場合もある。
水素燃料電池 水の電気分解の原理を利用し、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる発電装置。都市ガスやメタノールといった燃料や、水の電気分解など様々な方法で取り出した水素に、大気中から取り入れた酸素を反応させて電気を発生させる方式。水素は燃焼させず酸素と化学反応させるので、CO2は発生しない。発電の際には水しか排出されず、環境に優しい。
正極 プラス極、陽極ともいう。放電時に電流が放出する負極より高い電位を持つ電極。
整流器 交流電流を直流電流に変換する装置のこと。整流器は一方向にのみ電流を通し、蓄電池の充電用として使用される。
セパレーター セパレーターは、正極板と負極板の間で接触することによる短絡(ショート)を防ぐ目的を持つ。正極板と負極板の間をイオンが移動することで電流が流れるため、小さな孔がいくつもあることで、イオンが行き来できるようになっている。薬品による腐食や酸化を起こさず、電気絶縁性のある素材で作られる。電解液を保持する役割を持つ場合もある。
セル(単電池) バッテリーを構成する個々の電池を指し、単電池ともいう。
1個のバッテリーパックの中に複数のセルが入っている場合はパック電池(組電池)という。
セルバランス 複数のセルを組電池として使用する場合、余裕を持った範囲をSOC範囲として設定している充電するときは残量の多いセルが先に満充電となり、そのまま充電を続けてしまうと過充電となる。また、放電するときは最も少ないセルの残量が0になった時点でバッテリー切れになるなど、セルバランスの崩れは性能低下の要因となる。
全固体電池 多くの電池で課題となっていた液漏れを回避するために、電解質を固体にした電池のこと。
タ行
短絡(ショート) [外部短絡] 電池の+プラス極と-マイナス極を電線や金属などで直接接続された状態のこと。
このとき、短絡された回路には通常よりも大きな電流が流れ、異常発熱や破損・発火する危険性がある。
注)絶対にショートさせてはならない。
直流(DC)
: Direct Current
電気の流れ方には「直流」と「交流」の2種類があり、電気が導線の中を流れるとき常に一定方向で流れる電気の大きさ(電流)や、勢い(電圧)が変化しない電気の流れ方を直流という。
乾電池やバッテリーは直流。電池のプラスとマイナスを正しくつなげなければ電気が流れない。
定格容量(最小容量) 温度、放電電流及び放電終止電圧の規定条件で完全充電から取り出せる電気量は、定格容量と定められている。
放電終止電圧に達するまでの時間をもとに、単位は「Ah:アンペアアワー」で表される。Min.と書かれている場合もあり最小容量を示す。
定電圧充電方式(CV方式) 一定の電圧で充電を行う方式。満充電に近づくと電流値は下がるため、充電スピードが遅くなる。
定電流充電方式(CC方式) 一定の電流量で充電を行い、一定の電圧もしくは一定の充電時間で充電を終える方式。
定電流定電圧充電方式
(CC・CV方式)
一定電圧までは一定の電流(定電流)を供給し充電を行い(定電流充電)、セルの端子電圧が規定値に達してからは、電流の供給量を小さくし一定の電圧を供給して充電する(定電圧充電)に切り替えて充電する方式。
端子電圧が充電終止電圧に達すると充電が完了する。満充電できるが細かい制御が必要。
ディープサイクル バッテリー容量が空もしくは放電終止電圧に達するまで使用し充電を行う、厳しい条件下で使用する1サイクルのこと。
電解液
(電解質溶液)
電池内の電気化学反応においてイオンを伝導させるための媒体。イオン性物質を水などの極性溶媒に溶解させて作った電気伝導性のある溶液。
トリクル充電 蓄電池を負荷から切り離した状態で、微弱な電流で低速充電する方法。蓄電池の自己放電を補うために行われる。また、満充電に近い状態では高速充電を行わないようにし劣化を抑える場合などに利用される。
トリクル寿命(フロート寿命) 充放電の頻度が少ない場合の寿命。あまり使われないことで劣化が進みやすい電池の種類もあるため。
ナ行
内部短絡 外的な衝撃などにより、電池の内部で正極と負極が電気的に接触すること。
電池の種類によっては接触により大きな電流が流れて温度が上昇する。基準温度を超えた場合、熱暴走を起こし発煙・発火の危険性がある恐れも。
内部抵抗 蓄電池内部の抵抗値。蓄電池の理論上の電圧と実際の電圧には差があり、電流が多く流れるほど実際の電圧は小さくなるため、蓄電池内部に抵抗があると見なし「内部抵抗」と呼ぶ。
熱暴走(サーマルランナウェイ) 過充電や外的要因などにより電池の温度上昇の制御ができなくなること。
通常は熱暴走を防ぐ為の安全装置が取り付けられている。熱暴走によりバッテリーが破損したり、発生したガスに引火したりする危険がある。
ハ行
パルス電流 短時間、瞬間的に流れる電流のこと。
ヒューズ 電流や温度が一定以上に達した場合、安全のために物理的に溶断し電流を遮断するもの。遮断後は交換や修理が必要となる。
ピーク電流 瞬間的な過大電流のこと。使用上の最大電流。
負極 マイナス極、陰極ともいう。放電時に電流が流入する正極より低い電位を持つ電極。
フロート充電
(浮動充電)
充電器に対して蓄電池と負荷を並列に接続し、絶えず充電状態にしておく充電方式。電池の種類によっては劣化を加速させる場合も。
並列充電 複数のバッテリーを並列接続して充電を行うこと。
並列接続された組電池の場合は、並列接続で充電可能。直列接続された組電池の場合は、原則直列充電をする。
並列充電を行うと、蓄電池間の充電状態にばらつきが生じやすく、寿命が短くなるなどの原因になることがある。
閉路電圧:CCV(Closed Circuit Voltage) 電池に負荷をかけている(電池に機器を接続している)状態の電池端子間の電圧。電流が流れているため、電池の内部抵抗の影響で電圧は低い値を示す。
放電 バッテリーに蓄えられている電気を外部へ取り出すこと(電池を使うこと)。
放電終止電圧 安全に放電を行える放電電圧の最低値のこと。使用上の限度を示すことが多い。
放電終止電圧に達するとバッテリーは空になったとみなされ放電を停止する機器が多いが蓄電残量は0%ではない。
放電終止電圧を下回っても放電を続けると、性能の劣化が加速するなど悪影響があるため使用しないように制御している。
放電深度 蓄電池の放電容量に対して使った放電量をパーセンテージで示したもの。
放電電圧 放電時のバッテリー端子間の電圧のこと。放電するにつれ、徐々に電圧は低下するが、バッテリーを接続する装置やバッテリーの種類により特性は異なる。
放電特性 電池を放電したとき、蓄電池の電圧が時間の経過とともに次第に減少していく変化の様子をグラフにしたもの。横軸は放電容量、縦軸は電圧。放電電流は一定にし、環境温度をパラメータとすることが多い。
放電容量 使い始めから使い終わるまでにバッテリーから取り出した(放電した)電気量のこと。
放電時の電流(消費電流)と終止電圧に達するまでの時間で計算される。単位は「Ah(アンペアアワー、アンペア時)」「mAh(ミリアンペアアワー、ミリアンペア時)」で表される。
保護回路 温度異常や過大電流を検知したり遮断したりする保護機構。
マ行
メモリ効果
(メモリー効果)
ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池などのアルカリ蓄電池において、バッテリーを使い切らない状態で充電(浅い充放電)を繰り返していると急激な電圧低下が発生する現象のこと。
例えば、バッテリー容量を70%使用して充電した場合、容量が残り30%付近で電圧が低めに推移する。これを何度も繰り返すと、容量残り30%付近で急激に電圧が低下するようになる。
実際には使用可能なバッテリー容量は残っているが、電圧が急激に下がり早く放電終止電圧に到達するため、バッテリーは使えなくなってしまう。バッテリー充放電のタイミングの経験を記憶することから「メモリ(メモリー)効果」と呼ばれる。
ニッケルカドミウム電池にメモリ効果が発生すると回復は難しいが、ニッケル水素電池の場合は深い充放電を繰り返すことで解消できる。
ラ行
リチウムイオン電池(LiB) リチウムイオン電池は、ニカド電池やニッケル水素電池に比べて同じ量の電気を蓄えるときにバッテリーのサイズを小さくすることができるため、電子機器の多くで使われている。今でも高蓄電量、長寿命、急速充電、軽量化、そして低温動作などの安全性も日々進化し続けている。メモリ効果がないため継ぎ足し充電も可能。
英語・数字
SOC(State Of Charge) 電池の充電状態を示す。満充電状態が100%、完全放電状態が0%。電池によっては劣化などを懸念し電池の公称容量に対し、かなり安全をみた範囲をSOC範囲として使用しているものもあるので注意が必要。
SOH(States Of Health) 電池の劣化状態を示す。初期の容量と比べどの程度容量が維持されているかをパーセンテージで示したもの(容量維持率)。SOH50%の場合、満充電しても新品時の50%の電力しか充電できないことを意味する。もしくは初期の抵抗値と比べどの程度内部抵抗値が上昇したかを示したものを抵抗上昇率という。
UPS : ユーピーエス(無停電電源装置) UPSは「Uninterruptible Power Supply(アンインタラプティブル パワー サプライ)」の略で、日本語で「無停電電源装置」と呼ぶ。
停電など電力供給が遮断された場合に一時的に電力を供給する装置のこと。停電が起きても暫くの間稼働を続けることができるほか、落雷などによる電源の瞬断や一時的な電圧低下などの影響を回避することができる。

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